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銀行預金と投資信託の違い(当サイト人気No.1ページ!


 このサイトを開設した頃(2006年)は、グローバル・ソブリン・ファンドと呼ばれる外国債券に投資するファンドの利回りの高さに人気が集まってました。最近では、通貨選択型ファンドという特殊な取引を利用した利回りの高いファンドに人気が集まっています。

こういったファンドが登場すると、
「銀行に預金として預けていても増えない、利回りの良い投資信託に投資してみようかな?」
と、こんな感じで投資信託を始めてみようという方が多いようですが、

このページでは「なぜ銀行預金の利回りは小さく?投資信託の利回りは大きいのか?」
その点について考えてみましょう。


まず初めに知っておいてほしいこととして、
銀行預金と投資信託の大きな違いに、『元本保証の有無』があげられます。

銀行の預金には元本保証があります(ペイオフ制度で1000万円まで保証)が、
投資信託には元本保証がありません。元本保証が無いというのは、1000万円預けて運用した結果、500万円になってしまうこともありえるという事です。

怖いなぁ、、、と思うかもしれませんが、それは投資信託を間違った方法(例えば一度に大量に買い付けた等)で買い付けてしまった場合に起こることが多いです。

投資信託には、元本保証がありません。銀行と違ってリスクを負っているのです。
この時点でリスクの大きい(損失の可能性のある)投資信託は、銀行よりも利回りが大きくなるのは直感的にわかりますよね。

銀行預金と投資信託のしくみを詳しく考えてみます。



【銀行預金】
銀行は人々から預金として預けられたお金をひとまとめにして、資金を欲しがっている企業に貸し出し、そこから利息を受け取るというビジネスを行なっています。
そして、この利息収入の一部が利子として預金者へと流れてくるようになってます。

↓の図を見てみましょう
       

これが銀行預金の仕組みです。(間接金融と呼ばれてます。)

預金者と会社の間に銀行が入ることで、銀行は収益をあげています。銀行の収益が上がれば預金者に支払われる利子は高くなります。昔の銀行の利息は高く、1990年の頃には定期預金で年率6%という時期もありました。

しかし、いまの日本では違います。なぜなんでしょう?
(少し日本の歴史のおさらいになります。)

それは、借りる側の会社が少なくて、銀行のお金が余っているからです。
会社がお金を借りない理由のひとつは、平成不動産バブルの頃に借金を膨らまし、散々な目にあったことがあげられます。この傷は深くて、返済が終わった今でも借金について否定的な見方を持ってる会社が多いです。しかし、実際に借りたとしても使い道がないのも事実なようです。

会社に貸せなくて、銀行は徐々に利益を出せなくなってきました。
そこで銀行はどうしているかというと、日本国債を買っています。

国債の利回りは低いけれど、手堅く稼げるため、銀行は国債を現在でも買い続けています。
しかし国債の利回りは1%前後をウロウロとしています。これでは銀行が収益をあげることができないので預金者にお返しする利子が少ないのは納得できますよね。
(参考コラム:金融機関の貸出金と国債・・・日本国債が増えた理由を金融機関側から分析しています。)


【投資信託】
次に投資信託について見てみましょう。
投資信託の場合は、お金が必要だと思っている会社等に直接お金を出している点に違いがあります。

運用先(お金を出す先)が株式の場合は、株価の値上がり益や配当を得ることによって収益をあげます。債券の場合は、社債・国債の値上がり益や利息を得ることによって収益をあげます。

このように、お金を必要としている対象者に対して、直接出す(出資して)形態を、銀行の間接金融に対して直接金融といいます。

       

 投資信託の場合は、運用が成功すれば、株価の値上がり益や配当、債券の値上がり益や利息といった多額な利益を得ることができます。もし運用で失敗してしまったら、株価や社債の値下がりで元本を割り込むこともあります。

法律的な話をすると、株式は会社が倒産したら紙くずに、債券は運が良ければ返ってきます。
借入金(銀行)は会社が倒産した場合に、債券や株式よりも優先的に返ってきます。
法律面からも銀行預金の方がリスクが小さいことは理解できますね。



<まとめ>
このように、「なぜ銀行預金の利回りは小さく?投資信託の利回りは大きいのか?」というと、
◎銀行預金はお金あまりの事情から、リスクが小さく利回りの小さい国債を購入しているため。
◎投資信託はお金を必要としている会社に損失覚悟(株式や債券)で出して、リスクをとっているため。

 お金が余っている事は事実なのですが、一方でお金を必要としている人も存在することは事実です。
投資信託を始めるというのは後者の方にお金を出しているんだ、と理解しましょう。

また、お金が回れば物やサービスが回ります。物やサービスが回ると言う事は、そこに売上が伴い、売上が増えれば給料が増え、給料が増えれば消費が増える。こうやって銀行ではなく、投資を通じて、日本を再び経済成長へと導くことができるという説もあります。
(政府が一時期唱えていた『貯蓄から投資へ!』がこれにあたりますね。さわかみファンドのさわかみさんが唱えているのもこれです。投資を通じて経済を活性化させることに目的があるようです。)



【銀行預金と投資信託の利回りの違いについて】

「なぜ銀行の利回りは小さく、投資信託の利回りは大きいのか?」については確認できました。
次にその違いを、具体的な数値で見てみます。

例えば、、、
銀行預金利回り⇒0.02%ぐらいです。
投資信託利回り⇒平均で5%ぐらいの世界と言われてますが、実際はピンからキリまであります。

※投資信託利回り参考例:2011年11月11日現在
・株式型投信の場合・・・・ひふみ投信(3年平均で年率7.7%:モーニングスター参照
・債券型投信の場合・・・・STAM国内債券インデックス(3年平均で年率1.9%:モーニングスター参照
・株式債券ミックス・・・・・・セゾン投信(3年平均で年率2.22%:モーニングスター参照
注:3年平均でのリターンです、セゾン投信については設定来リターンはマイナスです。

以下に銀行の利回りと投資信託の利回りの違いについて、表とグラフであらわしてみました。
さっそく表で見てみましょう。

  

元本100万円からのスタートの場合です。上が銀行、下が投資信託で運用した場合の結果です。

30年後は、
銀行は30年預けて9万円増えてます。
投資信託は3年間で16万円が増えています、30年後なら332万円増えてます。

数値で確認すると、リアリティが出てきますね。(実際にこのように上手く増えていくかどうかというと、、、そんなことはなくて、上振れたり下振れたりしながら、少しずつ理論的な数値に落ち着いていきます。)

次にグラフで確認してみます。

   

長期間に渡っての運用は複利の力を強めます。
とくに20代〜30代の若年層投資家は多少リスク(損失の覚悟)をとってでも投資信託を購入する価値はあるのではないかと思います。

投資信託はリスクの商品といいますが、それは短期間保有(3年以下)で購入させられている方の話で、過去の歴史を見ると、10年間以上の長期かつコツコツと積み立てる形の運用を行えばリターンも年利回り5%程度で安定していきます。


また投資信託の種類によってはリスクが低いものもあります。
上で説明したように株式に投資している投資信託はリスクが高いですが、債券に投資している投資信託のリスクは低いです。

つぎに投資信託のメリットについて考えていきましょう。





STEP1 投資信託初心者入門
 ◆ はじめに
 ◆ 投資信託とは?
 ◆ 銀行預金と投資信託の違い
 ◆ 投資信託のメリットは?
 ◆ 投資信託のデメリットは?
 ◆ 投資信託は長期運用が基本
 ◆ リスク管理と資金配分
 ◆ 投資信託の目的を明確
投資信託入門では投資信託とは何なのかを様々な角度から開設しています。投資信託と聞いていまひとつイメージの湧かない方や基本的な知識を知りたい方は「投資信託とは?」から順番に見ていってください。
STEP2 投資信託の購入方法 投資信託の購入方法及び購入時に気をつける点など
STEP3 投資信託の種類 様々な種類の投資信託を紹介

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