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通貨選択型ファンドのメモ・高分配の秘密その1


更新日:2011年11月17日(木) 

このコラムは、通貨選択型ファンドについて、3 部攻勢で書いてあります。
 @通貨選択型ファンドのメモ・高分配の秘密1(当ページ)
 A通貨選択型ファンドのメモ・高分配の秘密2(リンク先
 B通貨選択型ファンドのメモ・高分配の秘密3(2011年11月19日)

 ※かなり長引いてしまったので分割しました。


<はじめに:通貨選択型ファンド>
 2008年、世界中がサブプライム危機で恐怖のどん底に陥っているときに、この通貨選択型ファンドは静かにうぶ声をあげました。それまでは、グローバルソブリンファンドが人気を博していたのですが、2008年〜2009年の間に、これにとってかわるものとして台頭してきたのが通貨選択型ファンドです。
(参考コラム:グロソブを振り返る


一番最初に設定されたのは、欧州ハイ・イールド・ボンド(野村アセットマネジメント)です。
続いて設定されたのは、野村米国ハイ・イールド債券投信(野村アセットマネジメント)です。これはおおいに人気が出ました。(どちらも野村というところがまた興味深いところです。)


これらの通貨選択型ファンドと呼ばれる投信の魅力は、
『@高分配』 『A高利回り』 、の二点にあります。

例えば、野村米国ハイ・イールド債券投信(ブラジルレアルコース)を見てみますと、、、

     

(@高分配である点・・・)
 例えば、2009年の設定日に10,000円を、このファンドに投資したとすると、その年は1760円が分配金として手に入り、2010年には2750円が手に入ります。10,000円投資しただけで、この分配金です、、、これが高分配ファンドと言われるゆえんです。

(A高利回りである点・・・)
 高利回りとは、具体的に分配金利回りが高いという意味で、分配金利回りの算出方法は、
「分配金(1760円)÷投資金額(10,000円)×100%=17.6%」となります。

 定期預金の解約をした後に、販売員にこういう商品を紹介されたりするようですが、私がもしも投信販売の営業マンなら、きっとこういう流れで紹介していくと思います。
この数値だけを示せば、高分配も高利回りも間違いではないですから。



<通貨選択型ファンドを調べる前の補足知識>
 続いて、通貨選択型ファンドがなぜそんなにも利益が出るのか?
その利益の源泉を見ていきたいと思います。いろいろなサイトを見て回ってみると、詳しい方(金融機関の方)は仕組みまで説明してくださっています。理解するのに大変助かりました。(参考になったブログ等はコラムの最終記事に載せる予定です。)

ただその前に、上で説明した補足をさせていただきます。

(補足について・・・・・)
      
 
 確かに、1年で2750円も分配金がもらえると高分配と判断してしまい、また17.6%と聞かされると高利回りと判断してしまいがちです。

しかし、投資した金額の10,000円は、いまいったいいくらになっているのかというと、、、、

上の場合は、9,595円となっています。

10,000円のまま残っているわけではないという点にご注意くださいね。
分配金をもらうと、そのぶん投資元本は減っている、ということです。高分配は言葉として間違いではないんですが、分配金利回りという言葉は失くした方がいいでしょうね。意味のない言葉だと思います。

この補足を理解したうえで、通貨選択型ファンドの本当のリターンを見てみましょう。

投資金額は、10,000円です。
これに対して入ってきたお金は、1760円+2750円+2400円+9595円=16,505円
よって、(16,505円-10,000円)÷10000円×100=65.05%

3年でこの数値は驚異的なリターンです(^^;)
だから通貨選択型ファンドのブラジルレアルコースは、人気があるんですね。

※この補足で説明した計算を、ブラジルレアル以外の通貨選択型ファンドも同様の計算で調べてみまさしょう。分配金ではもらえてはいるけれど、そこまで利益が出ているわけではないのかな、、、、、と感じるかもしれません。(モーニングスター通貨選択型一覧の入り口ページです。)

補足説明が終わったところで、このコラムの本題である「通貨選択型ファンドの利益の源泉」について考えていきます。(次ページへ続きます、、、、、)

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