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新興市場国の投資信託


ここ最近、新興市場国の株式市場を投資対象としたファンドの設定が相次いでいます。
インドや中国、東欧などの国を投資対象とした投信の基準価額(株価)が相次いで上昇した背景もあり、人気が比較的でやすい商品です。

BRICsをはじめとした新興国への投資は非常に魅力的です。
何が魅力的かって、それはずばりその国々の将来性ですよね。
BRICsといった国々の成長はこれからという状態、現在の状態であらかじめそういった国々の株式を保有しておけば、その新興国の成長の恩恵を一手に受けることができます。
株価で表現するなら10年で3倍、4倍の世界です。(あくまで順当にいけばの話です^^;)

こんなハイリターンが見込める商品ですから、もちろんリスクも大きいです。
あくまで経済が順調に流れていけば、これだけの成長は想定内ですがそんな安定した世の中であるわけがありません。新興国というのはまだ成長しきっていないぶん、経済のバランスが少し崩れただけで、一気に崩れていくこともあります。また国の方針が変更されたときなども大きな影響を受けて、経済は崩れていきます。

そうなるともちろん株式市場も崩れていき、株価が半分以下になることも普通に起こります。
新興市場国への投資は、夢のようなリターンもありえますが、同時に潜在的に大きなリスクも抱えているというなかなか癖のある投資となります。

『こういった国々へ投資する際に気をつけるべき点はなんなのか?』
『具体的にとどのような投資を行っていくのがベストなのか?』

今回のコラムではそんな新興市場国の投信を購入する際の投資法を簡潔にまとめてみました。
いきなり結論から入っていきますが、絶対に守ってほしいことから箇条書きをしていきます。
これから購入しようと考えている方、現在購入し保有している方も含めてぜひともこの投資法を検討してみてください。
(注:この投資法を活用すると大幅な利益を得ることはできません。そのかわりリターンを得る確率は高いものとなり、同時にリスクを限りなく減らせる投資法です。大きな痛手を負うことはまずありません。)

【新興市場国への投資アプローチ】
1、ドル・コスト平均法を使う
2、新興国投信の投資額は総投資額の10%までに制限する
3、長期投資(10年)前提での投資


まずは絶対必須の一番目、1、ドル・コスト平均法を使うです。
コツコツ積み立てていくことで、時間によるリスクの分散を図ることが狙いです。
ドル・コスト平均法とは平均買値を安定・平均化させる効果がある大きな下落後でもコンスタントにコツコツ買い付けていく手法です。(参考:ドル・コスト平均法とは?

新興国の投信を購入するうえで、このドル・コスト平均法以外に良い投資法というのははっきり言って考えられません。ただでさえ新興国というのは株価の値動きが激しいのですから、タイミングよく安値を拾うことなんか不可能です。
新興国の投信を考えるのなら、まずこのドル・コスト平均法が絶対条件です。


2、新興国投信の投資額は総投資額の10%までに制限する
これは分散投資の概念を取り入れています。
本来、資産運用で最も大切なことは『元本の確保』ですからね。
すべての投資資金を新興国に費やすなどという愚かなことだけは絶対にしては駄目ですよ。
(100万円の投資金ならば10万円までです。最大10%の制限を絶対守ってください!!)

新興国の経済は成長しきってない分、本質は不安定なものです。
いつ何時崩れだすのかなんて分かりませんし、恐ろしいことを言いますが、たとえばの話、国がつぶれてしまうということも可能性としてはありえます。最悪の事態も意識しておくことが大切です。


3、長期投資(10年)前提での投資
こんなこと考えている方はいませんか?
「インド株投信や中国株投信といった新興国株式ファンドの基準価額がたったの一年で2倍になったのだから、新興国への投資はすぐにでも効果がでる短期で狙える商品なんだ〜。」

皆さんが理解しているだろうことを前提に確認しますが、この考えは間違いですからね。
最近の新興国投信の好調ぶりは、単に世界的に新興国への投資が流行っているという理由があります。また近年まれに見る世界的な株式市場の好調がつづいた時期であったということも重なり、好調を演出できました。

基本的に株価というのは本当の価値に連動して動いていくものですから、大きく上昇すれば大きく下落することは確実です。

今後、株価が下がることもぜんぜん考えられますし、それこそが自然的であり普通です。
だからといって株価が下がり続けるのかといえば、それは違い必ずどこかで反転します。
(株価は生き物ですからね、波打ちながら推移していきます。)

大事なのは大きなうねりを意識することです。
その新興国が資本主義のシステムに身を置いている以上、長期的には株価は上昇していきます。
これは新興国への投資に限った話ではなく、投資というもの全般的に言えることですが、長期で投資を考えるようにしてください。決して短期で利益を得ようなどと考えないでください。

最低でも10年です!
(短期でもリターンを得られないこともないとおもいますが、ここはあえてきつめの設定にしました。)

『10年も続けることができるのか?!』

大丈夫です、辛いのは最初の一年だけですよ^^
一年もコンスタントに買い続けることができたなら、3年は続けることができるだろうし、3年続けることができたら5年間は続けられます。長期投資は保有し続ける環境に慣れてしまったら後は簡単なんです。一番辛いのははじめの一ヶ月〜三ヶ月ぐらいかもしれません。
自分の経験上では、その時期が一番辛かったから・・・。
しかし、半年すぎて一年たったぐらいから不思議なもので保有し続けること事態に慣れてきます。
人間、環境に慣れたら後は楽ですよ。


以上の三つが新興国投信を行ううえでぜひ守ってほしい三原則です。
投資で一番大切な点は『元本の確保』です。
これは利益を得ることよりも大切なことです。

参考:BRICsなどの主な新興国投信銘柄)
HSBCインドオープン・PCAインド株式オープン・野村インド株オープン
HSBCチャイナオープン
HSBC BRICsオープン
HSBCブラジルオープン(ボベスパETF)→現在スポット投資で長期投資中(ブラジル投資録



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