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日米投資家意識の違い


米国の投資信託協会から発表されたアンケート調査結果(「投資信託情報は投資家にどう受け入れられているか」)で面白い結果がでてきました。

投資信託の資料といえば『目論見書』と『運用報告書』のふたつです。『目論見書』はファンドの購入時に目を通す書類であり、『運用報告書』は年に一回(ファンド決算時)、運用経過を確認するための書類です。
これら二つの書類は当サイトでもひとつのコンテンツとして取り上げて読み方を紹介しているぐらい重要なものです。
(参考コンテンツ:『目論見書を読もう!』『運用報告書を読もう!』)

しかし、アンケートの調査結果には意外な事実が分かりました。
なんとアメリカ人投資家のファンド購入者の3分の2の方はこれらの情報を利用していないことが明らかになったんです。ファンド購入時に『目論見書』を全部、またはおおかた読んだという方は25%であり、まったくまたはほとんど読んでいないという方が半分以上を占めていたそうです。読んでいない理由は「内容が難しくて理解できない。」「量が多すぎる。」という意見が多く、投信の先進国アメリカでさえ投信目論見書の評判は良くないようです。


では日本ではどうなのか??

日本の場合も状況は同じようなものです。
日本投資信託協会のアンケート調査結果によると。目論見書を「よく理解できた」人は15%しかおらず、「読んだがよくわからない」という人が37%います。これに「むずかしそうなので読まなかった」と「特に興味がなかったので読まなかった」をあわせると目論見書を読まない方が半数を占めます。

まぁ『目論見書』が難しくて読めない・・・というのは仕方の無いことではありますよ。大量のページ数(約100ページ)のうえに見慣れない用語がずらり。
このことを考慮して、運用会社側も何度も読まれやすい文章に工夫してきましたが、あまり効果は出てないようですね^^;



『目論見書』における日本とアメリカの投資家のレベル差はまだ見られていないのですが、確実にアメリカの投資家の方がレベルは上であることを示しているアンケート調査結果もあります。

アメリカの投資家がファンド購入時にもっとも気をつけるべき点は何かというと、
@運用報酬率(運用コスト、信託報酬のことです。)
A過去のパフォーマンス
B投資リスク

という順番で結果が出ています。
アメリカの投資家はさすがですね^^
投信選びで最も重要であるのが信託報酬つまり運用コストであることを理解しています。

対して日本の投資家はどうなのかというと、
「投資信託購入の決め手となったもの」という問いへの回答について、
「安全性の高さ」「値上がり期待」「過去の運用実績」の順になっています。
過去のパフォーマンスと投資リスクという点で重なる部分はあるものの、最も大切な点である「運用コスト」についての答えは多くありませんでした。

日米投資家の意識の最大の違いはこの『運用コスト(信託報酬)』についてですね。
日本人投資家がアメリカ人投資家に見習うべき点はずばりここです^^

※日本の投資信託の運用コストはアメリカに比べると非常に高いのが現状です。
日本はアメリカ型の資本主義社会を目指して歩いてますから、運用コスト(信託報酬)の値下げも少しずつ行われていくでしょう。

参考コラム:インフォシークのコラム



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