やさしい投資信託ガイドトップ>投資信託コラム(8)>アセットアロケーション

アセットアロケーション(2011/11/30)


更新日:2011年11月30日(水) 

※このコラムの元ネタはやさしい投資信託ブログ(2011年11月14日)です。内容は適度に変更されている改良版です。

このコラムは、
「アセットアロケーションの簡便法最新版」ダイヤモンド
について述べたコラムです。(上記ページを開きながら読み進めるとGOOD)


<はじめに>
 アセットアロケーションとは、投資資金を様々な種類の資産に振り分ける作業を言います。アセット(資産)アロケーション(配分)という言葉の意味からも、なんとなく想像できますよね。

例えば、資産が100万円あるとして、株式には3割、債券には4割、REITには3割、、、、といったような感じに振り分ける作業のことをアセットアロケーションと言います。


 この作業が投資において最も重要かつ重視すべき作業と言っている専門家もいたりしまして、「過去のデータを分析してみるとそのような結果になった。」、、というのが理由だそうです。

重要なのはなんとなく分かるのだが、初心者にとっては、その振り分ける基準がまったくわからないという点で悩んだりします。(株式を何割にして、、、債券を何割にして、、、とかいったい何が何だか。。。)


 だからこそ、その資産配分の振り分けを、振り分け基準を明確にしている専門家にお任せするバランスファンドと呼ばれるファンドが存在 していたりします。(例:セゾン・グローバル・バランス・ファンド・・・セゾン投信



<ダイヤモンドコラムの中身>
 上記のダイヤモンドの記事(山崎氏)では、「こうしてみたらどうでしょう?」というアセットアロケーションのモデルが紹介されていました。要約するとこんな感じです。

@まず生活費3カ月分をもしものときのために取り除いておく。
A次に最悪の事態(最大損失)を考えて資産を振り分ける。

その結果、、、資産配分は、
『国内株式50%:先進国株式25%:新興国株式:25%』となる。(山崎元さん推奨:)


この割合ならば、期待リターンは5.5%、リスクは20%となります。(無難な数値かな。)
(リスクの意味については、こちらのコラム「リスクとリターンの理解」が参考になるかと思います。)


@まず生活費3カ月分をもしものときのために取り除いておく。
 これは資産運用の基本中の基本なんですが、必ず余剰資金を用いて行うようにしましょう!、、ということです。

いったんファンドを買いつけると、それを現金化するのに4〜5日はかかります。
「どうしてもお金が必要になったのだけれど、、、ファンドに全部投じてしまってたんだ。。。」
こんな事態を未然に防ぐためにも、余剰資金を用いて行いましょう、ということですね。

この考え方は全面的に大賛成で、投資を考えている方には、とくに十分注意してほしい点でもあります。



A次に最悪の事態(最大損失)を考えて資産を振り分ける。
 最悪の事態って何の話かというと、『どれぐらいまで損失に耐えられるのか?』っていう話です。
投資信託には様々な種類が存在しています。株式型や債券型、不動産投資信託型などなど。
この種類によっては、価格の変動が激しかったり、穏やかだったりするんです。

一般に、株式型ファンドは価格の変動が非常に激しいです。穏やかなのは債券型ファンドです。
価格の変動の激しさ順⇒ 株式型ファンド > 不動産型ファンド > 債券型ファンド

実例をあげて確認してみました。
以下のグラフをご覧ください。
   

横に期間とって、縦にリターン率(%)をとっています。
青い線が株式型ファンドです。
赤い線の不動産型ファンドと同じくらいのブレ幅に見えますが、いまは不動産投資信託が売られすぎの水準にきているため、イレギュラーな時期のためです(はっきり言って割安です、、、間違っても自己責任でお願いしますね。笑)。

特徴的なのは緑色の線でしょうか。これが債券型ファンドです。まったくブレていません。価格が動いてほしくないような運用資金だったら、債券型ファンドは適しています、、、ただし国内債券に限りますけどね。(海外は為替差損で吹き飛ぶ恐れがありますから。)

アセットアロケーションで重要なのは、自分の許容される条件(値段が安定してて欲しい、とか値段がブレてもいいので高いリターンがほしい)を第一に確認することだと思います。

条件を決めたら、その条件に合わせる形でどんな資産配分にすべきなのかは、初心者の方でも、イメージはつきますから。
(cf.例えば、、、)
あまり値動きが激しくない方がいい・・・・・・・・・・・・・・・債券比率を高くする。
一時的にマイナスになってもいいから大きなリターンを狙う・・・・・・・・株式比率を高くする。



<山崎氏の記事のまとめ>
 山崎氏が推奨する比率は、『国内株式50%:先進国株式25%:新興国株式:25%』でした。
全て株式型ファンドであるので、かなり攻撃的な資産配分であると言えます。(ちなみに2年前にこの割合で10,000円投資していたら、、、、現在は8711円となっています。成績はマイナス1,289円ですが、この価格下落に耐えられないという方は、債券型ファンドの比率をあげるべきでしょうね。)

また、下落リスクを抑えたいのなら、投資せずに現金で持っている割合を増やすという方法もすすめています。運用資金100万円のすべてを投資に向けずに50万円は現金として待機させておいて、残額で上記のような比率配分で投資するといった感じでしょうか。

その他には、投資するタイミングをずらして、積立投資で資産形成を行うという方法もあります。価格の安定を目指す場合は、これが最も効果的であると思います。




<アセットアロケーションまとめ>
「どの資産にどの割合で資産配分すべきなのか?」
この回答の最適解(数学的意味ではない)を導きだすのに、真正面から取り組もうとすると

『世界経済が今後どのように動いて行くのか』を予測しながら、資金配分する必要があります。

また、世界の投資資金の流れを押さえる必要もあります。
例えば、、、現状のリスクとして、「欧州金融危機」「中国不動産バブル」「アメリカの景気先行き懸念」が大きいものとしてあげられ、このリスクが表面化したときに、資金はどういう風に動くのかなど、いちいちリスクをあげて、そのリスクが表面化したときにお金がどう動くのかを把握する必要があるんですね。

例えば、、、、(とある経済レポートより、ちょこちょこと抜粋)
「欧州金融危機」のリスクについて考えてみると・・・・・欧州金融機関の資産収縮に伴って、新興国から多大な資金流出が予想される。また二次的な被害として、欧州実体経済の悪化と連動して新興国の輸出減に伴う経済の下押しリスク、資産圧縮に伴う資産価格の下落及びデフレ化など。しかし、一方で欧州経済の失速はあるものの、新興国の輸出先はリーマンショック以降、欧米域外の割合を拡大させており、欧州と連動して大きく失速するといったことは防げるのではないか、、、、、etc

この場合、投資に割く時間は膨大なものとなり、とてもじゃないけれど、一般サラリーマンが行うにはハードルが高すぎる。だからこそ、資産配分もお任せするバランス型ファンドや相場変動に合わせてキャッシュ比率を上げたり下げたりするようなファンドに人気が集まるのだと思ってます。


※個人的には、アセットアロケーションには、過去の値動きから算出されたリスク・リターンを参考に資産配分する方法と、将来の値動きを予測して資産配分する方法と2種類あると思っています。これまでは前者が主流だったのですが、今後は、後者の将来予測もある程度必要ではないか、と思っています。

(将来の事などわからないのではあるけれど、バブルが起きているときに投資を始める必要はないと思います。バブルかバブルでないかの判断はどうするのか?過去の歴史をひもといて判断します。)






Copyright(C)2008 PEPE All Rights Reserved