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欧州金融危機について1(短期金融市場の観点から)(2011/11/24)


更新日:2011年11月24日(木) 

※深い考察は控えておいて、、、現状で起きている事実を取り上げて、話を進めています。

この記事もかなり長引きそうなので、4部構成(予定)としました。


<はじめに>
今回のコラムは、欧州金融不安についてです。

欧州金融機関は、短期の資金調達目的に、LIBOR市場MMF(CPと呼ばれる短期社債を発行し、MMFに投資してもらってる。)を使っていたのですが、欧州債務危機に伴って、その資金調達が難しくなりました。


「欧州金融機関はドルが枯渇している。」というニュースも大きく取り上げられるようになってきました。地味にドルが不足してきているんですよね。ユーロ売りドル買いが起きています。
(参考・ロイター:ドル不足「非常警報」、年末控え不安広がる
このように短期金融市場を中心に警戒感が続いています。
※今回のコラムはこの短期金融市場の警戒感をLIBOR・MMFを視点にほりさげています。



<短期の資金調達が困難に・LIBOR市場>
まずは下のチャートをご覧ください。

         リンク先

 このチャートは、「Libor-Ois スプレッド」と呼ばれるもので、LiborレートとOisレートの差をあらわしています。「Libor」とは、ロンドン間における銀行間の取引金利です。「Ois」とは、一定期間の固定金利と変動金利を交換する金利スワップです。「Libor-Ois スプレッド」とは、資金の借り入れに際して、銀行が実際に支払わなければならない金利と将来の金利予想との差を表します。スプレッドの拡大とは、銀行が将来期待される金利よりも高い金利を払わないと短期資金が調達できない状態を表します。




説明文を読んで、理解できたようにできないような感じになってしまうのですが、
「このチャートが上昇しているという事は、金融機関がドルの短期資金調達に困っている。」ということを表してます、、、ぐらいのイメージを持てればいいかなと思います。金利が上がって、資金調達に困っていると。


通常、欧州金融機関は、短期の資金調達に銀行間取引を利用しています。
銀行間でお金を貸し借りして、決済業務を行ったりしているんですよね。

      


そのときに貸し手の金融機関から提示される貸出金利が、各銀行によって違うのですが、その各銀行の平均金利をLIBORって呼んでいます。(各銀行によって貸し出す金利は異なります。)

※金融機関にお金が余っている場合で、かつ早急に必要としないお金は、早急にお金を必要としている金融機関に短期で貸しつけます。その結果、小銭が稼げる。そんなイメージでお願いします。


2011年6月頃までは、この指標の推移も落ち着いていてのですが、2011年7月後半〜8月にかけてでしょうか。ユーロ・ドルともにこの金利差は拡大していきいました。(日本円は落ちついています、この理由はまたのちほど、、、)



この上昇は欧州債務危機によって引き起こされていると、みられているのですが、いったいどういう経緯で引き起こされているのか、その点について、危機の流れをまとめてみました。ブログでは、いつもさらっと書いて終わってしまうのですが、その具体的な説明を、今回サイトのコラムを使って書きあげることにしました。

続いて話の中心は、LIBORからMMFへと移行します。


(補足)
コラムをUPした後で、ロイターが取り上げていましたので参考までに、、、
ロイター:市場の緊張を測る指標、一部は金融危機時の水準に迫る


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