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設定額のピークは売り時?(2011/11/23)


更新日:2011年11月23日(水) 
やさしい投資信託ブログより抜粋(一部加工済み:2011年2月13日

※今回のコラムもブログの中から抜粋です。ブログで書いた考察とはまた別の視点がみつかったので改めてコラムとして取り上げてみます。元ネタはモーニングスターのコラムです。(元ネタページ:投資期間とパフォーマンス


投資期間とパフォーマンス』(モーニングスター)

モーニングスターの記事の内容は、投資期間がパフォーマンスに与える影響についてです。
長期投資をすすめる理由のひとつに、投資期間が長くなれば長くなるほど、リターンは安定するという考えがあります。このモーニングスターのコラムでは、その検証を行っています。

例えば、国内株式型ファンドの場合を見てみましょう。

   

棒線と折れ線グラフが見えますが、この記事通りにのっとれば注目すべきは、折れ線グラフですね。
折れ線グラフの年数が3年・5年と長くなればなるほど、ブレが小さくなるのがわかりますでしょうか。
この現象をもって長期保有はリターンが安定するということを言っています。

ただ、注目してほしいのはそこだけではありません。
黄緑色で囲んだ部分です。

時期を見ると2005年後半〜2006年にかけての辺りですね。ちょうどライブドアショック前後となります。このあたりはまさに株式ブームとも言える時代で、自分が投資を始めたのは2004年なのですが、勘違いしていた時期でもあります。

この時期以降に投資信託を始めた場合、その後はあまり良いリターンは見込めません。ファンドの設定額が極めて大きいとき、つまり皆がファンドに注目しているときは何も手を出さず、ただじっとしているのが一番だと言えるでしょう。

何よりも保有者は、売り時のタイミング指標としていいと思います。



    

 上の図は国際株式型ファンドです。こちらも折れ線グラフは年数が3年・5年と増えるにつれて、ブレが小さくなっていっています。
また設定額については、2006年から急激に上昇し、2007年〜2008年にかけて設定額のピークを迎えています。ファンドの設定額がピークを達し、その後下落に転じでも、しばらくは購入すべきでない時期が続くようですね。

こういった指標は購入すべき時期というよりも、やはり『ファンドの設定額のピークは売り時を教えてくれている。』ように見えます。




    

続いて国際債券型ファンドなんですが、折れ線グラフは年数が増えるにつれて安定しています。やはり債券の方が長期リターンは安定しますね。株式は不確実性が高すぎるので長期の概念が債券よりも広いです。

この図で特徴的なのは、リーマンショック時の悪化。これは為替差損による影響ですが、マイナス20%を割り込んでいるのは驚異的です。

また直近で設定額が増えています。これは株式から債券への逃避という面もありますし、通貨選択型ファンドの隆盛といった面もあるでしょう。売り時かもしれませんね。



   

最後に国内債券型ファンドなんですが、非常に安定しています。
リターンもブレが少なく、高齢者層におススメできる本命投信といった感じですね。

設定額のピークが2010年末で迎えているようにも見えますが、これは円高回避を原因としたファンドの乗り換えが原因です。この現象をもって国内債券バブルとは断定できませんが、やはり少し注意が必要なのかもしれません。




【まとめ】
設定額がピークを迎える頃に、売り時が重なる傾向にありました。
ピークが過ぎた後に運用成績は悪化傾向にありましたからね。

理由は、投信の設定が、過去の成功に基づいて設定されているためでしょう。

購入者側としては、利益が出るファンドなら買いたいと思うものですが、
例えば投信販売の営業の方に、、、
「ずっと損失を出し続けているけれど、もうまもなく相場は回復しますので買ってみませんか?」と誘われるよりも、
「このように、ここ数年安定してリターンをあげているのですが、宜しければご購入してみませんか?」と誘われた方が、おそらくとっつきやすいと思います。

またその頃には成功体験をしている人がまわりに居たりするものです。客観的事実も加わっているとなれば、買いやすくもなりますから、やはり設定額のピークは売り時と見てもいいと感じます。





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