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世界市場・経済の流れ(2011/11/21)


更新日:2011年11月21日(月) 

 自分の頭の中を整理するためにも、世界金融市場の流れと世界経済の流れを、以下のような図にまとめてみました。

        

、、、といっても、図のヒントは『日経新聞』より得ています。

それもかなりザックリな分け方(新興国を、中国、ブラジル、インド、東南アジアなどに分けたい)なので、この点は知識が補充され次第、図をつくり直して整理していこうと思います。

今回のコラムでは、これら各国の経済状況を分析しつつ、今後の世界経済の動向を考察してみました。
現状の知識のみでは、不十分な面が多々見られたので、確実性の高い分析が出来た感触はなかったのですが、知識を補充しながら、月に1回こういった分析をしていこうと思います。

※かなり完成度が低いと考えているので今回は期待しないでください。



@米国と欧州間
 欧州の金融機関にとって、アメリカは、大事な資金調達場所として機能しています。例えば、MMF(マネーマーケットファンド)などの組み入れ資産の細かな内訳を見ると、欧州の金融機関が含まれているのが確認できます。
欧州金融不安が市場を駆け巡ったりすると、米国のFRBの委員などが、「MMFは心配、、、」などとコメントをしていたりします。これは、MMFが組み入れ資産の中から欧州金融機関を除外しようとするからで、MMFは安全性を売りにした金融商品(元本割れが起こりにくい)なんですが、欧州金融機関を恐れて一斉に売られたりすると元本割れの危険性をはらんでいるからです。
参考ニュース:「ロイター・米銀が欧州危機乗り切れると確信、MMFが心配」

また欧州景気が悪化すれば、米国からの輸入は減少します。現状(2011年11月末時点)は海運動向を見る限り、大西洋航路の本数が減っていたり、運賃が値下げされていたりしています。近いうちに欧州の消費者動向に変化が見られるかもしれません。


A米国と新興国間
 米国から新興国への輸出も減少するかもしれませんが、それ以上に新興国から米国への輸出の減少の方に注目したいです。中国の輸出先No1が米国であるというのは有名です。海運動向(2011年11月末時点)も、上海発米国向けの運賃が減少傾向にあります。また航路の本数も減っています。
米国の消費者動向、とくにこれからはクリスマス商戦に注目が集まりますが、いまのところ新聞などでは心配されている記事が多いようですね。また日本の海運会社も下方修正を出しています。

 新興国からの資金流出は、欧州金融危機に備えてドル需要が起こることによります。各金融機関でドルを準備しておく必要性に駆られ、一時的に投資ポジションを解消し、ドル買いを実行するといったことが見られます。不安が落ち着くと資金が新興国に戻っていくのが特徴ですね。成長するところにお金は集まるようです。


B欧州と新興国間
 欧州から東欧へ、欧州からアジアへ、欧州から南米へ、欧州金融機関の新興国への資金融資ポジションはリーマンショック後に一時的に減少したものの、拡大傾向にありました。このお金が金融危機によって逆流を起こしかけています。
中国の不動産バブルに欧州金融機関が絡んでいるという話は聞いたことありますが、東南アジアに対しても貸し付けています。また南米・とくにブラジルに対しては大きな影響を与えていることが問題にもなっています。

 新興国から欧州向けの輸出動向もあまり良い情報が得られていません(2011年11月末)。これも海運動向の話ですが、上海発欧州向けの運賃、本数ともに減少しています。欧州の消費者動向には注目していきたいです。


C欧州と日本間
 日本から欧州への輸出も減少しているようです。2011年9月中間決算では、欧州向けに輸出している企業の売上高が9月に大幅減少しているのを確認しています。すべてがすべて不調ではないと思うのですが、全体的に減退傾向が見られるので、注意が必要ですね。

 日本の円がリスク回避の思惑から買われているようです。最近では日本の国債も買われているようで、投資リターンに旨味があるから買われているわけではなくて、消去法により円が選択されているというのを聞きます。


D新興国と日本間
 唯一好調なのが、この日本と新興国の交易でした。海運動向を見ても、上海発日本向けの輸送は、運賃・本数ともに悪化は見られず、物資の輸送は順調なようです。

 資金流出は一部起きているようですね。確認できているところで言えば、ブラジルぐらいなのですが、アジアからの資金流出はあまり聞きません。




 こうしてお金の流れ(資金移動)や物の流れ(貿易)を図にしてると、大局的なものの見方ができるとともに、表面化されにくいリスクなども考察できて、アセットアロケーションのヒントにも使えそうですね。

 今回はかなり大雑把な分け方をしており、また自分の知識も不十分であるので、実用性の高い分析は出来なかったのですが、今後、知識の補充が進むとともに、月1ぐらいでこの世界経済の状況コラムを更新していきたいと思います。(目標はリバランスに役立てられるレベルにまで持っていくことです。)






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