やさしい投資信託ガイドトップ>投資信託コラム(6)>リスクとリターンの理解A

リスクとリターンの理解A



<リスクの算出方法>
 つづいてリスクの算出方法の説明をしていきます。
リスクは何から算出されるのかというと、実はリターンの数値から算出されます。

『リスクとはリターンのブレ幅を意味する。』
(リスクを理解するには、まずこの言葉を頭に植え付ける必要があります☆)


リスクの算出方法は、
@ある期間のリターン=年率リターンをまず算出します。
A続いて細かな各年度ごとのリターンと年率リターンとで標準偏差を算出すれば、それがリスクの数値となります。



(文章を読んでもイメージ掴みにくいんで、例題を使って確認します♪)
Aファンドは設定以来10年間運用されています。
現在の基準価格は20000円(設定時:10000円)

@Aファンドのリターンはリスクとリターンの理解@で算出したように、年率リターン7.2%でした。

Aつづいて細かな各年度ごとのリターン年率リターンを使って標準偏差を算出しましょう。
まずは細かな各年度ごとのリターンを確認します。

 
 プラス(%)の年もあればマイナス(%)の年もありますね。

続いてこれらの各年度ごとのリターン(%)の数値と、上記で算出した年率リターン7.2%とで、
リスク=標準偏差を算出します。


リスク(標準偏差)=
√0.1(10%-7.2%)^2+0.1(9%-7.2%)^2+0.1(-13%-7.2%)^2+0.1(-10%-7.2%)^2+0.1(26%-7.2)^2
+0.1(25%-7.2%)^2+0.1(13%-7.2%)^2+0.1(-3%-7.2%)^2+0.1(12%-7.2%)^2+0.1(8%-7.2%)^2

上記の長ったらしい計算式(^^;)の平方根(√)がちょうどリスクに該当します。
まぁ、、こんな感じで各年度ごとのリターン(%)と年率リターンとをコラボ♪させていくんです。

上記計算式を計算すると、、、
リスク=12.36%  とリスクが算出されます。



もうね、何が何だか、、、という感じですよね(>_<)
リスクっていったい何なんだ?訳がわからないじゃないか!?
そんな気持ちを持ちつつ、下の文章を読んでみてください。






<図で理解!リスクとはリターンのブレ幅です。>

リスクを算出するにあたってまず行うことは上記でも紹介したように、
@ある期間のリターン=年率リターンを算出!
でした。

この言葉は図で表すと、

        

 年率リターンとは、青線の細かなリターンを意識するのではなく、赤矢印をイメージしたリターンの数値を算出することを意味します。つまり毎年一定の率で資産が増えていくイメージですね。年率リターンを算出し、それを標準偏差算出における平均値とします。

年率リターン=7.2%でした!



続いて問題のリスク計算に行きましょう。
A各年度ごとのリターン年率リターンとで標準偏差を算出!
とあります。

問題はこのA番です。
この計算がいまいち何をやろうとしているのか、また何を計算しようとしているのか掴みにくいんです。

そこでグラフ化させて考えてみるとわかりやすいかと思います♪

    
 このグラフでは縦軸にリターン(%)の数値、横軸に期間(年)をとっているわけですが、青色の線が各年度ごとのリターンです。大きくぶれているのがわかりますよね。
そして薄赤色の線が年率リターン7.2%で一定しています。

ここでリスクというのは冒頭で説明しているように、
リターンのブレ幅を意味します。

ということは、リターンのブレ幅を計算すればリスクが算出できるわけです。
そこで年率リターン(%)を基準値として、上記の複雑な計算式が出てくるんです。

リスク(標準偏差)=
√0.1(10%-7.2%)^2+0.1(9%-7.2%)^2+0.1(-13%-7.2%)^2+0.1(-10%-7.2%)^2+0.1(26%-7.2)^2
+0.1(25%-7.2%)^2+0.1(13%-7.2%)^2+0.1(-3%-7.2%)^2+0.1(12%-7.2%)^2+0.1(8%-7.2%)^2

この計算式は何をしているのかというと、
各年度のリターンと年率リターン7.2%とのブレ幅、すなわちブレ幅を測定して数値化してるんです。

式の一部を抜粋してみてみましょう!

0.1(10%-7.2%)^2

(各年度ごとのリターン−年率リターン)を2乗していますが、これはまさにブレ幅を測るための措置です(2乗することでマイナス数値はプラスになりますからね)。そして最後に0.1を掛けていますが、これは割合です。全部で10年分のデータがあるので、1年分の統計ということで0.1です。

10年分のデータ全てに同じように計算し、10年分のブレ幅数値を合算し、最後に√(平方根)を算出します。2乗してしまってますから、もとに戻すんです。(そんなイメージで良いと思います☆)

そうすると、リターンのブレ幅すわなちリスクが算出されます。


ここまででなんとなくですがリスクのイメージが掴めたのではないでしょうか。



     

各年度のリターンと年率リターンとの差が小さければ小さいほどリスクは小さい。
各年度のリターンと年率リターンとの差が大きければ大きいほどリスクが大きく、





<リスクのまとめ>
 なんとなくですが、リスクとは何を意味するのかわかったのではないでしょうか。
ここでリスクの意味がなんとなく理解できているかどうかを試す問題を一問だしましょう!

(問)次の金融資産のリスクを算出せよ。
・期間3年の定期預金(年利率0.4%)











答え:リスクは0%です。
元本が減ることもなく、一定して年率0.4%は手に入ります。
つまりブレ幅は0、よってリスクは0%となります。

(参考書籍:資産運用実践講座T



Copyright(C)2008 PEPE All Rights Reserved