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基準価額と純資産額


投資信託を購入するときにチェックする点で純資産総額と基準価額というのがあります。
今回のコラムではこの二つの用語の意味とチェックするときの注意点を説明します。
まずは、二つの用語の意味を確認してみましょう。

【純資産総額】
純資産総額とは、ファンドの資産(株式、債券、現金等)から負債を差し引いた、ファンドの財産の合計です。ここからファンドの規模の大きさを見てとることができます。

【基準価額】
基準価額とは、純資産総額をファンドの総口数で割ったものです、つまりファンド一口の価値ですね。
投資信託の株価みたいなものです。

    
参考イメージ(モーニングスターより)


では、次に気をつけるべき点について説明します。

【純資産総額と基準価額をチェックするときの注意点1】
基準価額が上昇しているのに純資産総額が減少傾向にあるものは注意してください。
純資産総額が減少傾向にある理由はふたつ考えられます。
それは『運用成績の悪化』か『投資信託の解約数の増加』です。

『運用成績の悪化』ももちろん良くないことなのですが、ベンチーマークに勝っていれば別段問題はないと思います。

それよりも、やっかいなのは『投資信託の解約数の増加』による純資産総額の減少です。
それは、たとえ基準価額が上昇傾向にある場合であったとしてもです。
『投資信託の解約数の増加』している投資信託はたいてい・・・・・・
       
こんなグラフを描きます。
(純資産総額がみるみるうちに減っていっているのがわかるでしょうか。それに対して投資信託の株価である基準価額は大幅に上昇しています。)

l基準価額は上昇傾向にあるのに、純資産総額は下がっていく(つまり解約が増加している)。

なぜこんな現象が起こるのか?

実はこのファンドは2008年に償還(運用終了)されるんです。
償還日、つまり運用終了日が間近に迫っていることから、買い手はいなくなり、売り手(解約者)だけが増えていくという現象が起きているんです。
投資信託の購入時に、このようなグラフを描いていたときは償還日がいつなのかをチェックするようにしてミスを未然に防ぐようにしたほうがいいですね。



【純資産総額と基準価額をチェックするときの注意点2】
純資産総額が減少傾向な投信にはもうひとつだけ注意点があります。
それは投資信託の繰上げ償還の危険性についてです。

繰上げ償還とは信託期限が来る前に『もうこれ以上運用できません!』ってほぼ強制的に投資信託が償還(運用終了)されてしまうことです。

繰上げ償還の原因はもちろん純資産総額の減少が原因です。あまりにも純資産総額が少ない場合は、要するに運用しようにも運用するお金がないわけですから、どんなに優秀なファンドマネージャーでもお手上げですよね。
そういう場合はどんなに成績が良くても繰り上げ償還されてしまいます。

繰上げ償還がやっかいなのは、償還時の基準価額よりも高値で購入していた場合です。戻ってくるお金は償還時の時価で評価されますので、償還されてしまうと損失がいやおうなしに確定されてしまいます。純資産総額の減少による繰上げ償還は十分注意するようにしましょう。


オマケ【繰り上げ償還を回避するにはどうすればいいのか?】
まず純資産額が減少傾向にあるものは避けるべきです。
できれば純資産総額が50億円あたりの投資信託がいいかと思います。最低でも30億円以上はほしいところ。というのも30億円以下での運用では信託報酬を差し引くと赤字になりやすいからです。

過去の純資産総額の推移にはよく目を向けるようにしましょう。
たとえ現在の純資産総額が30億円だったとしても、徐々に増加していっての30億円ならいい投資信託かもしれません、逆に3年前は100億円あったが、だんだん減ってきて現在が50億円の場合だとまだまだ減少していく恐れがあります。上の30億円の例より繰り上げ償還リスクは高いでしょう。



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